【医療機関向け】ベースアップ評価料届出の流れ|賃上げ額の集計と注意点を解説
「ベースアップ評価料の届出を検討しているが、自院がどの区分に該当するのか分からない」「病院全体の賃上げ額を集計する作業が複雑で進まない」といったお悩みを持つ事務長様や人事労務担当者様は多いのではないでしょうか。
目次
1.医療機関が押さえるべき「ベースアップ評価料」の種類と仕組み
ベースアップ評価料は、対象となる医療機関の形態によって主に以下の区分に分かれています。まずは自院がどの点数を算定すべきかを正しく把握することが第一歩です。
●外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)
外来医療または在宅医療を実施している医療機関が対象です。
∟外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)
(Ⅰ)で算定できる総額が、対象職員の月額賃金総額の1.6%未満となる場合に追加で算定できます。
※歯科も同様に歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)の算定が可能です。
●入院ベースアップ評価料
入院診療を実施している有床診療所や病院が対象です。
※外来・在宅の(Ⅱ)と両方の算定はできません。
●訪問看護ベースアップ評価料 (Ⅰ)
訪問看護を行っている事業所が対象です。
∟訪問看護ベースアップ評価料(Ⅱ)
(Ⅰ)で算定できる総額が、対象職員の月額賃金総額の1.6%未満となる場合に追加で算定できます。
●調剤ベースアップ評価料
調剤を行っている保険薬局が対象です。
この制度の最大の特徴は、算定した収益の全額を対象職員の「賃上げ」に充てなければならない点です。そのため、事前に正確な賃上げシミュレーションと集計を行うことが、届出の前提条件となります。
2.ベースアップ評価料届出に向けた「集計」と準備の4ステップ
実際に届出を行うまでには、大きく分けて4つのプロセスがあります。特に規模の大きな医療機関ほど、データの集計に時間がかかる傾向があります。
ステップ1:対象職種の抽出と現在の給与額の集計
対象となる主な職種: 看護師、薬剤師、放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、医療事務、受付など。対象外となる職種: 医師、歯科医師、薬局薬剤師 ※経営者、法人役員、業務委託により勤務する方も対象外となります。※原則として対象外ですが、40歳未満の勤務医等、特例がある場合があります。
ステップ2:届出書の作成とシミュレーション
ステップ3:地方厚生局への届出書の提出
ステップ4:就業規則(賃金規定)の改定
3. 実務で迷いやすい「賃上げ」設計のポイント
「ベースアップ」を基本とした給与設計
メリット: 残業代や休日手当の算出基礎額も上がるため、スタッフにとっては実質的な増額幅が大きくなります。注意点: 社会保険料の事業主負担分も増加するため、これらを含めた精緻な集計 が必要です。
【事例】スタッフ50名規模の病院(医療法人)の場合
4. 届出後の運用と毎年の「実績報告」について
5. まとめ:専門家と共に確実な届出と労務管理を

よくある質問(FAQ)
Q1. 派遣スタッフや委託先の職員も賃上げの対象になりますか?
Q2. 複数の分院がある場合、集計や届出はまとめて行えますか?
Q3. 集計ツールで算出した賃上げ額が、端数などで収益を超えてしまう場合は?
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