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【障害福祉】職員の賃上げ支援|障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業補助金とは

【障害福祉】職員の賃上げ支援|障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業補助金とは

国による緊急措置として「令和7年度障害福祉分野の職員の賃上げ支援事業(障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業)」が実施されます。

本記事では、この事業の概要から具体的な補助額の計算式、緩和された申請要件まで、社会保険労務士の視点で分かりやすく解説します。

障害福祉分野の職員の賃上げ支援事業の概要

この事業は、障害福祉分野の人材不足解消を目的として、他産業と遜色のない賃金水準を目指すために設けられた緊急的な補助金制度です。

従来の処遇改善加算とは異なり、一時的な「補助金」として交付される点が特徴です。
まずは事業の全体像と、対象となる期間・事業所について解説します。

支援事業の目的と仕組み

本事業は、令和6年の経済対策の一環として、賃上げの動きが加速している他職種に対し、障害福祉分野が取り残されないようにするための緊急措置です。

  • 対象期間: 令和7年12月から令和8年5月までの6か月分
  • 支給方法: 一括交付
  • 実施主体: 各都道府県

対象となる事業所

基本的に、現在運営されているほぼ全ての障害福祉サービスが対象となります。
ただし、開設時期や廃止予定によっては対象外となるケースもあるため注意が必要です。

【主な対象事業所】

  • 訪問系: 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護 等
  • 日中活動系: 生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援(A型・B型) 等
  • 居住系: 共同生活援助(グループホーム)、施設入所支援 等
  • 児童系: 児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援 等
  • 相談系: 計画相談支援、地域相談支援、障害児相談支援 等

【対象とならない事業所】

以下のいずれかに該当する場合は、本補助金の対象外となります。

  • 令和8年4月以降に新規開設された事業所
  • 計画書の提出時点で、廃止または休止となることが明らかになっている事業所

    補助対象となる職員の範囲

    従来の処遇改善加算では「福祉・介護職員」に重点が置かれていましたが、本事業では「障害福祉従事者」全体が対象となります。

    つまり、直接処遇を行う職員だけでなく、事務職員や調理員、送迎ドライバーなど、事業所内で働くその他の職種も賃金改善の対象に含めることが可能です。

     

    補助金額の算出方法と交付率について

    経営者の皆様が最も気になるのは、「自事業所にはいくら支給されるのか」という点でしょう。
    補助額は、利用者の人数ではなく、事業所の「総報酬額」に基づいて算出されます。

    補助額の算出式

    事業所ごとの補助額は、以下の計算式で「利用者ごとの補助額」を出し、それを合計して確定します。

    補助額 = 基準月(原則:令和7年12月等)の障害福祉サービス等総報酬額 × 交付率

    • 基準月: 原則として令和7年12月の実績を用います。
    • 総報酬とは: 基本報酬に加え、各種加算・減算を含めた総単位数に単価を乗じたものです。
    • ※1円未満の端数は切り捨てとなります。

     

    交付率

     

    厚生労働省:障害福祉分野の職員の賃上げ支援事業の実施について

     

     

    ※厚生労働省:障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業の実施について

     

     

    【重要】補助金受給のための要件と緩和措置

    本補助金を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。
    ただし、緊急支援という性質上、現状で要件を満たしていない事業所に対しても「誓約」による緩和措置が設けられています。

    「うちは要件を満たしていないから無理だ」と諦める前に、以下の内容をご確認ください。

    1. 処遇改善加算の算定要件

    原則として、基準月(令和7年12月)において「処遇改善加算」を算定していることが必要です。

    【緩和措置】
    もし基準月時点で未算定であっても、「補助金の実績報告までに」と誓約すれば、申請が可能となります。
    ※誓約をした場合、後の実績報告書にて実際に算定を開始した旨の報告が必要です。

    2. 補助金受給の要件

    処遇改善加算の区分に応じて、職場環境改善の取り組み等(資質の向上、労働環境の改善等)を行っている必要があります。

    • 処遇改善加算Ⅲ・Ⅳの場合: 全体から8以上の取り組みを実施
    • 処遇改善加算Ⅰ・Ⅱの場合: ① 全体から14以上の取り組みを実施
                    ② 経験・技能のある障害福祉人材のうち1人以上が、賃金改善後の見込額で年額460万円以上であること

                   ※年収460万円以上の職員配置が現状難しい場合でも、「補助金の実績報告までに」と誓約すれば申請可能です。

    【緩和措置】
    こちらも同様に、基準月時点で取り組み数が不足していても、申請時に「令和8年度中に実施する」と誓約することで、要件を満たしているものとして扱われます。

     

    このように、多くの事業所が今回の補助金を受け取れるよう、柔軟な仕組みになっています。

     

      申請から交付までの大まかな流れ

      本事業のスケジュールは都道府県によって異なります。
      詳細は各都道府県の障害福祉課のホームページを随時確認してください。
      一般的な流れは以下の通りです。

      • 計画書等の作成・提出
        計算式に基づき補助額を算出し、賃金改善計画を作成して都道府県へ提出します。
      • 補助金の交付
        審査を経て、交付決定後に指定口座へ一括で振り込まれます。
      • 賃金改善の実施
        計画に基づき、職員へ給与や一時金を支給します。
      • 実績報告書等の作成・提出
        全額を賃金改善に充てたことを証明する書類を作成し、都道府県へ報告します。

       

        まとめ

        本記事のポイント

        • 全職員が対象: 福祉・介護職員だけでなく、事務員なども対象に含められます。
        • 要件は誓約でクリア: 現時点で要件を満たしていなくても、令和8年度中の実施を誓約すれば申請できます。


        手続きや配分方法に不安がある場合や、就業規則の変更が必要な場合は、専門家である社会保険労務士にご相談ください。

        当法人では、障害福祉事業に特化した労務サポートを行っております。
        「自社の交付額を知りたい」「適切な配分方法を相談したい」という経営者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

        よくある質問(FAQ)

        Q1. 毎月の給与アップではなく、夏や冬のボーナス(一時金)として全額支給しても問題ありませんか?

        はい、問題ありません。
        国の方針としては「基本給による改善」が望ましいとされていますが、事業所の判断により、手当や一時金(賞与)として支給することも認められています。ただし、令和8年5月までの対象期間分として計算された補助金ですので、支給時期や名目について職員へ明確に説明・周知することをお勧めします。

        Q2. 令和8年4月に新しくオープンする事業所は対象になりますか?

        残念ながら、今回の補助金については対象外となります。
        本事業の要件として、「令和8年4月以降に新規開設された障害福祉サービス事業所等」は対象とならない旨が明記されています。
        また、計画書提出時点で廃止や休止が決まっている事業所も対象外となりますのでご注意ください。

         

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