目次
多様な人材を活かし、企業の成長を加速させる外国人雇用
「外国人材を雇用したいけれど、労務管理って何に気をつけたらいいの?」「日本語が堪能ではない従業員とのコミュニケーションで困らないかな?」このような不安をお持ちの経営者様や人事担当者様は少なくありません。少子高齢化が進む日本において、外国人材は企業の貴重な戦力となり、新たなイノベーションを生み出す可能性を秘めています。しかし、その一方で、在留資格の確認や日本の労働法規への理解、文化・言語の違いなど、日本人従業員とは異なる労務管理の注意点が存在します。本記事では、外国人雇用を成功させるために押さえておくべき労務管理の重要ポイントを、専門家である社会保険労務士の視点から分かりやすく解説します。貴社が安心して外国人材を受け入れ、共に発展していくための一助となれば幸いです。
採用前と採用後の「在留資格の確認」は厳格に
外国人材を雇用する上で、最も基本的ながら最も重要なのが「在留資格」に関する手続きです。不法就労者を雇用した場合、企業側も厳しい罰則の対象となるため、細心の注意が必要です。
就労可能な在留資格か、活動範囲は適正か
「在留資格」とは、外国人が日本に滞在し活動するために必要な資格です。就労可能な在留資格(例:技術・人文知識・国際業務、技能、特定技能など)であるかを確認することはもちろん、その資格で許可されている活動範囲と、実際に従事してもらう業務内容が合致しているかを確認する必要があります。例えば、「留学」の在留資格を持つ学生は、原則として週28時間以内という時間外規制があり、それを超える就労は認められません。
【事例】
飲食店を経営するC社は、急な人手不足から、知人の紹介で「留学」の在留資格を持つ外国人をアルバイトとして雇用しました。しかし、繁忙期に週40時間以上勤務させていたところ、入管庁の調査が入り、不法就労助長罪で指導を受ける事態に。社会保険労務士に相談したところ、就労可能な在留資格であるかの確認を怠っていたこと、および時間外規制の知識不足が原因と判明しました。社労士のアドバイスで適正な就労管理体制を構築し直すことになりました。
在留期間の管理と更新手続きのサポート
在留資格には「在留期間」が定められています。雇用継続のためには、この期間内に更新手続きを行う必要があります。企業側が積極的に情報提供や手続きのサポートを行うことで、外国人従業員は安心して働き続けることができます。
日本の労働法規を遵守した適正な労働条件の確保
外国人労働者も、日本人労働者と同様に日本の労働関係法令(労働基準法、最低賃金法など)が適用されます。国籍や在留資格によって、労働条件に差をつけることは許されません。
時間外規制や休息、休日に関するルールの徹底
特に、労働時間や休憩、休日に関するルールは、国によっては日本と異なる場合があります。残業代の計算方法、有給休暇の付与日数、深夜労働や休日労働の割増賃金など、日本の労働基準法に則った運用を徹底する必要があります。
【事例】
製造業のD社では、海外子会社から派遣されてきた外国人技術者に対して、日本の労働法規に関する説明が不十分なまま就労させていました。ある日、その技術者から「残業代が正しく支払われていないのではないか」という指摘があり、調査したところ、時間外労働の割増賃金率に関する認識のズレが発覚。速やかに社会保険労務士に相談し、過去の未払い賃金を精算するとともに、就業規則や給与規定の見直しを行いました。
最低賃金の遵守と賃金形態の説明
最低賃金は、地域や産業によって定められています。外国人労働者に対しても、日本の最低賃金以上の賃金を支払う義務があります。また、月給制、時給制、歩合制など、賃金形態についても誤解が生じないよう、明確に説明することが重要です。


















