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多様な働き方を支える!「副業・兼業」推進と企業のルール作り

多様な働き方を支える!「副業・兼業」推進と企業のルール作り

はじめに

「社員から副業をしたいと相談されたけど、うちの会社で認めても良いのだろうか

「副業を解禁したいけど、何から手を付ければいいのか分からない

近年、従業員のキャリアアップや収入増加を目的とした副業・兼業への関心が高まっています。

政府も働き方改革の一環として副業・兼業を推進しており、優秀な人材の確保・定着のためにも、企業として前向きな姿勢で検討していくことが重要です。

しかし、安易に副業・兼業を認めてしまうと、情報漏洩や過重労働など、企業にとって大きなリスクが生じる可能性もあります。

 

そこで本記事では、副業・兼業を成功させるための就業規則変更のポイントと、企業が注意すべきリスク管理について、社会保険労務士の専門家が分かりやすく解説します。

貴社が安心して副業・兼業制度を導入・運用できるよう、ぜひ最後までお読みください。

 

副業・兼業が企業にもたらすメリット

新型コロナウイルス感染症の影響や、個人のキャリア形成意識の高まりを受け、副業・兼業を容認・推奨する企業が増加傾向にあります。 企業が副業・兼業を推進することで、以下のようなメリットが期待できます。

①従業員のスキルアップ:

本業以外の業務経験を通じて、新たな知識やスキルを習得し、本業にも良い影響を与える可能性があります。

②採用競争力の強化:

副業・兼業を認めることで、多様な働き方を希望する人材を獲得しやすくなります。

③イノベーションの促進:

従業員が外部の知識や経験を持ち込むことで、組織全体の活性化や新たな事業機会の創出に繋がる可能性があります。

 

 ~事例~

製造業A社では、社員のリスキリングを目的として副業を推奨。社員がWebデザインの副業を始めたことで、A社の自社ホームページを内製化することに成功し、コスト削減に繋がった。

 

副業・兼業を導入する際のリスクと対策

副業・兼業はメリットがある一方で、企業にとって以下のようなリスクも伴います。

 

    1.  

①情報漏洩のリスク:

 競合他社での副業や、会社の機密情報を持ち出すことによる情報漏洩のリスクがあります。

【対策】就業規則に競業避止義務や秘密保持義務を明記し、従業員への教育を徹底する。

 

②過重労働による健康被害:

 本業と副業の労働時間が合算され、過重労働となる可能性があります。

【対策】副業の申請時に労働時間を確認し、必要に応じて副業時間の調整を指示する。

 

 ③本業への支障:

 副業に時間を費やしすぎた結果、本業のパフォーマンスが低下する可能性があります。

【対策】副業の申請時に本業への影響がないかを確認し、定期的に面談を実施して状況を把握する。

 

就業規則変更で副業・兼業を適切に管理する

副業・兼業を適切に管理するためには、就業規則の見直しが不可欠です。

就業規則に副業・兼業に関する明確な規定を設けることで、従業員とのトラブルを未然に防ぎ、企業のリスクを軽減することができます。

就業規則に記載すべき主な事項は以下の通りです。

 

①副業・兼業の許可基準:

どのような場合に副業・兼業を許可するのか、具体的な基準を明記する。例:本業に支障がないこと、競業避止義務に反しないこと、会社の信用を損なわないことなど)

②申請・許可の手続き:

副業・兼業を行う際の申請方法や、許可を得るまでの流れを明確にする。

③労働時間管理:

本業と副業の労働時間を合算して管理する方法を定める。

④競業避止義務:

会社の競合となる事業への関与を禁止する規定を設ける。

⑤情報漏洩の禁止:

会社の機密情報や顧客情報を漏洩した場合の処罰を明記する。

 

    副業・兼業許可基準の具体例と注意点 

    副業・兼業を許可する基準は、企業の業種や規模、従業員の職種などによって異なりますが、一般的には以下の点を考慮する必要があります。

     

    ・本業への支障の有無:副業によって本業の業務に支障が出ないか。(例:集中力低下、疲労によるミス増加など)

    ・健康状態への影響:過重労働によって健康を害する恐れがないか。

    ・競業避止義務違反の有無: 副業が会社の競合となる事業ではないか。

    ・秘密保持義務違反の有無: 副業先で会社の機密情報を漏洩する恐れがないか。

    ・会社の信用を損なう行為の有無:副業の内容が会社の信用を損なう行為ではないか。(例:反社会的勢力との関与など)

     

    注意点として、一律に副業・兼業を禁止することは、労働者の権利を侵害する可能性があります。

    合理的な理由がない限り、原則として副業・兼業を認める方向で検討することが望ましいです。

     

    まとめ:副業・兼業を企業の成長戦略へ

    副業・兼業は、従業員の成長を促し、企業にも新たな価値をもたらす可能性を秘めています。

    適切な制度設計と運用によって、企業と従業員が共にメリットを享受できる「Win-Win」の関係を築くことが可能です。

     

    当法人では、副業・兼業に関する就業規則の改定支援、その他労務管理上の注意点に関するアドバイスなど、企業の多様な働き方をサポートしています。

    制度導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

     

    よくある質問(FAQ) 

    Q1. 副業・兼業を許可した場合、社会保険料はどのように計算されますか?

    A1. 副業・兼業先を含めたすべての事業所での給与を合算して社会保険料が計算されます。複数の事業所から給与を受け取っている場合は、それぞれの事業所での給与額に応じて按分して保険料を負担することになります。続きが複雑になるため、専門家への相談をおすすめします。

     

    Q2. 副業・兼業を禁止することは違法ですか?

    A2. 法律で一律に副業・兼業を禁止することはできません。しかし、企業の正当な利益を守るために、合理的な理由があれば副業・兼業を制限することができます。(例:競業避止義務違反、情報漏洩の危険性、本業への支障など)就業規則に明確な禁止規定を設け、その理由を従業員に説明することが重要です。

     

    Q3. 副業で従業員がトラブルを起こした場合、会社は責任を負いますか?

    A3. 副業の内容や状況によって、会社が責任を負う可能性はあります。例えば、副業先で会社の機密情報を漏洩した場合や、会社の信用を損なう行為を行った場合は、会社も責任を問われる可能性があります。副業を許可する際には、従業員に対して十分な注意喚起を行い、トラブル発生時の対応についても事前に検討しておく必要があります。

     

     

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