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労働条件は書面で明示されるべき

Q1-2   就職のため面接を受けましたが、会社は、給料についてはっきりした額を言ってくれません。このまま就職してよいものかどうか心配です。なお、求人票には月給20万円と書いてありました。求人票の記載は労働条件になりますか。

  労働者を雇い入れた場合、使用者は賃金額などの労働条件を明示しなければならず、その方法として労働条件を記載した書面を交付する義務があります。ですから、「だいたい」とか「いくらくらい」というのでは問題がありますし、後になってトラブル発生の原因ともなります。
  法律で、書面による明示が義務付けられている労働条件は次のとおりです。
  1. 労働契約の期間に関する事項
  2. 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
  3. 労働時間、休日、休暇並びに交替勤務に関する事項
  4. 賃金の決定、計算、支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期ならびに昇給に関する事項
  5. 退職に関する事項
  なお、求人票に記載した内容については、法律上、求人者が行う求人の申込みの誘引にすぎず、直ちに労働契約の内容になるとはいえませんが、裁判例の中には、「公共職業安定所の紹介により成立した労働契約の内容は、当事者間において求人票記載の労働条件を明確に変更し、これと異なる合意をする等特段の事情がない限り、求人票記載の労働条件の通り定められたものと解すべきである」としたもの(平2.3.8、千代田工業事件、大阪高裁)もあります。


千代田工業事件

〔労働契約−労働条件明示〕
  職業安定法第18条は、求人者は求人の申込みに当たり公共職業安定所に対し、その従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示すべき義務を定めているが、その趣旨とするところは、積極的には、求人者に対し真実の労働条件の提示を義務付けることにより、公共職業安定所を介して求職者に対し真実の労働条件を認識させたうえ、ほかの求人との比較考量をしていずれの求人に応募するかの選択の機会を与えることにあり、消極的には、求人者が現実の労働条件と異なる好条件を餌にして雇用契約を締結し、それを信じた労働者を予期に反する悪条件で労働を強いたりするなどの弊害を防止し、もって職業の安定などを図らんとするものである。かくの如き求人票の真実性、重要性、公共性等からして、求職者は当然求人票記載の労働条件が雇用契約の内容になるものと考えるし、通常求人者も求人票に記載した労働条件が雇用契約の内容になることを前提としていることに鑑みるならば、求人票記載の労働条件は、当事者間においてこれと異なる別段の合意をするなど特段の事情がない限り、雇用契約の内容になるものと解するのが相当である。

 

 

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